分散投資って何?
やり方やメリットデメリットも教えて欲しい。
こんな悩みを解決します。
株式投資において分散投資は、下落時のリスクを抑えるという点において有効な手段です。
この記事では分散投資の具体的なやり方や、メリットデメリットなどについて解説していきます。
分散投資を上手く活用して、リスク管理を柔軟に行っていきましょう。
分散投資とは
株式投資における分散投資とは、その名の通り購入する銘柄を集中させずに、分散して投資することを言います。
ちなみに分散投資の反対は集中投資といいます。
有名な投資用語で「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。
これは「卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合に全部の卵が割れてしまうかもしれませんが、複数のカゴに分けて盛っておけば、例え一つのカゴを落とし卵が割れてしまったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずに済む」ということからきています。
つまり1つの銘柄に集中投資した場合、もしネガティブがニュースが出て株価が暴落してしまうと、大きく資産が減ってしまいますが、複数の銘柄に分散しておけば被害を限定的にできるということです。
分散投資が良いか、集中投資が良いかは一概に言えません。
どちらも一長一短であることに加え、その人の投資目的やスタイルによっても変わってくるからです。
次は分散投資のメリットとデメリットについてそれぞれ解説していきます。
分散投資のメリットデメリットについて
分散投資のメリット
分散投資のメリットの最大のメリットは、保有している銘柄が大きく値を下げた時に、被害を限定的に抑えることができることです。
なぜなら値を下げた時に出る損失は、保有している金額に比例するからです。
例えば下記の通り株保有している投資家Aさん、Bさんがいるとします。
Aさん
C社株 40万円
D社株 30万円
E社株 30万円
金融資産合計 100万円
Bさん
C社株 100万円
金融資産合計 100万円
保有資産は両社とも同じ100万円です。
BさんはC社株に1点投資なので集中投資していると言えますね。
ここでC社に大きなネガティブニュースが出て、株価が半分になってしまいました。
そのとき両社の資産は次の通りとなります。
Aさん(保有資産100万円)
C社株 20万円(40万円÷2)
D社株 30万円
E社株 30万円
金融資産合計 80万円(-20万円)
Bさん(保有資産100万円)
C社株 50万円(100万円÷2)
金融資産合計 50万円(-50万円)
同じ銘柄を持っていたのに、Aさんは-20万円の損失で済みましたが、Bさんは-50万円の損失が出てしまいました。
上記の通り、株価が下落してしまった場合、分散投資をしていると損失を抑えること可能となります。
分散投資のデメリット
逆に分散投資のデメリットは、保有株の株価が上昇した時に利益も限定的になってしまうことです。
なぜなら値を上げた時の利益も、損失同様保有額に比例するからです。
先ほどのAさん、Bさんの例で見てみましょう。
Aさん
C社株 40万円
D社株 30万円
E社株 30万円
金融資産合計 100万円
Bさん
C社株 100万円
金融資産合計 100万円
ここでC社株にポジティブなニュースが発生し、株価が二倍になったとします。
すると各人の金融資産は下記の通りとなります。
Aさん(保有資産100万円)
C社株 80万円(40万円×2)
D社株 30万円
E社株 30万円
金融資産合計 140万円(+40万円)
Bさん(保有資産100万円)
C社株 200万円(100万円×2)
金融資産合計 200万円(+100万円)
分散投資をしていたAさんは40万円しか増えませんでしたが、Bさんは100万円も増えました。
上記の通り、分散投資は株価が下落した時に損失を限定的にしてくれる一方、株価が上昇した時の利益も限定的にするという特徴があります。
分散投資のやり方
次は具体的な分散投資の具体的なやり方を説明します。
銘柄を分散する
一つ目のやり方は先ほどの例にも挙げたように、購入する銘柄を分散させる方法です。
また同じ分散させるにも業種などを分ける方法がより効果的です。
なぜなら同じような業種業態の銘柄ばかりを購入してしまうと、せっかく分散投資をしているのに、一つのネガティブニュースで共倒れしてしまう可能性があるからです。
なので例えば3銘柄に分散投資をするのであれば、
・外食銘柄
・インバウンド銘柄
・5G銘柄
上記のように異なる種類の銘柄を購入することをオススメします。
買うタイミングを分散する
またもう一つの分散方法として、買うタイミングを分散する方法があります。
なぜなら購入するタイミングを分散すれば、例え株価が下がったとしても、平均購入単価を下げることができるからです。
例えばC企業の一株当たり株価が下記の通り推移したとします。
1日目 1,000円
2日目 950円
3日目 900円
Aさんがもし90万円を持っていて、1日目の株価(1,000円)で全額投資したとすると、
900株購入でき、一株当たりの平均買付単価は1,000円となります。(わかりやすくするために証券会社に支払う手数料は無視します)
しかしBさんは分散投資をして、Aさんと同じ900株を300株ずつ3日に分けて購入しました。
その場合
1日目 1,000円×300株 投資金額30万円
2日目 950円×300株 投資金額285,000円
3日目 900円×300株 投資金額270,000円
Bさんの合計投資金額 855,000円
平均買付単価 855,000円÷900株=950円
上記の通り、購入日の分散投資をしたBさんはAさんよりも平均買付単価を抑えることができました。
同じ300株を購入するのにAさんは900,000円を投資しましたが、Bさんは855,000円で購入できています。
このように購入する日を分散することで、例え株価が下落局面になったとしても平均買付単価を下げて、損失を抑えることが可能となります。
また今回のBさんのように、定期的に一定金額分を買っていく方法をドルコスト平均法と言います。
投資資金が少ない時期は分散させすぎに注意
分散投資には、下落リスクを抑え、株価下落時のリスクを限定的にすることができますが、
投資資金が少ない内は、分散させすぎにも注意が必要です。
なぜなら分散投資のデメリットでも説明した通り、株価上昇時のリターンも限定的にしてしまうからです。
投資目的にもよりますが、もし大きく資産を増やしたい場合、投資額が100万円以内であれば多くても3、4銘柄程度に留めておくことをおすすめします。
分散投資を利用して上手くリスクと向き合い、あらゆる事態に柔軟に対応できるポートフォリオを組んでいきましょう。
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